【尾道市】町と人が育てるデニム。12年目を迎える「ONOMICHI DENIM PROJECT」
ONOMICHI DENIM PROJECT(尾道デニムプロジェクト)と聞いて、知ってる! 聞いたことある! という方は多いのではないでしょうか。中には愛用していたり、プロジェクトに参加したという方もいらっしゃると思います。先日、2025年に12年目を迎えるONOMICHI DENIM PROJECTについて取材させていただきました。
ONOMICHI DENIM PROJECTとは?
備後地方のデニム産業の魅力発信と産地の活性化、
尾道のまちの魅力を世界に発信することを目的に
スタートした尾道デニムプロジェクト。
尾道で働く人々が実際に一年間デニムを穿いて働き、
ユーズドデニムを「育てる」という 世界に類を見ないプロジェクトです。
全てが一点ものの尾道デニム
2013年に始まり現在も進行中のこのプロジェクト。尾道で働く人々に毎日履いて育ててもらって、商品として完成するのが尾道デニムです(一部尾道外もあり)。2本のデニムを1週間ごとに履いて洗濯するを繰り返し、約1年かけて世界に一つしかないデニムが出来上がります。商品のタグに職業履歴の欄があるのが尾道デニムならではで面白いです。このデニムは小学校の先生が育てたものでした。
そしてこちらは、棺(ひつぎ)職人が育てたというデニム。先ほどの小学校の先生のものとは違った色合いや雰囲気です。私はこのデニムを通して、棺職人という言葉を初めて聞きました。色んな職業があるんだなぁと思うのと同時に、仕事や生活の中で生まれたシワや色落ちが、そのデニムの背景にあって、自然と想いを馳せてしまう・・・不思議な気分になりました。他によく知られているところでは、尾道中心部の桂馬蒲鉾商店やONOMICHI U2、向島の後藤鉱泉所、瀬戸田の農家さんなどが2025年現在、プロジェクトに参加されているそうです。

店長の元廣京哉さん
デニムを通して様々な価値観を知ることが面白い
「尾道は人情あふれる街というのを肌で感じています。」
「ショップのスタッフは毎週デニムを回収するという業務があり、そこで様々な職業の方と話をします。一人一人が色んな考え方・職業があって、どういう想いでお仕事をされているのかとか、どんなものを作ったり販売されているのかとか、その商品の魅力とか、それをそのままお客様に伝えるのではなく、デニムというツールを介して伝えられるというのが、とても面白いです。」
今回お話を聞かせていただいたのは、前職は市外で銀行員として町おこしに携わっていたという、尾道市出身の店長の元廣(もとひろ)さん。銀行では金銭面な支援が大部分を占めていて、支援と言っても表面的なもので終わってしまうのが歯がゆくて、どこか一つの町づくりにもっと深く関わりたいと思い、地元の尾道にUターンされたそうです。
「尾道を知ってもらう拠点」としての場所
「尾道デニムショップはデニムを売っている場所なんですが、尾道を知ってもらうための拠点としての場所でもあります。」
尾道デニムショップは単なる服屋ではなく、「尾道を世界に発信していく」という目的を持ってスタートした場所ということはご存知でしたでしょうか? 尾道デニムに関心を持った方が尾道を訪れてショップに行く、現物を手に取り見る、購入する、デニムが育った場所を調べる、実際に行ってみる・・・など、尾道デニムを通して尾道の魅力を知ってもらい、買い物や観光のもう一歩先、尾道にもう一段階深く入るキッカケとしても、尾道デニムショップは存在しているとのことでした。
尾道をもっと盛り上げたい! プロジェクトに参加してみませんか?
それはさておき、ここまでは外向けの話。実際尾道にいる人に対してのメッセージを伺うと、「実際、尾道のためになっているのか?」ということを今一度考える岐路にあるとの本音を話してくださいました。10年という節目を経て、より地域に寄り添ったプロジェクトへ進化していくために模索中なんだそうです。
そこで、ONOMICHI DENIM PROJECTでは、このプロジェクトに共感して、尾道と尾道デニムを一緒に盛り上げようという意欲のある方を募集されています。
・制服としてデニムを履けること
・毎週の回収・交換に応じられること
・一緒にプロジェクトを盛り上げて下さる方
・デニムや尾道が好きな方
プロジェクトの参加条件は上記4点のみ。個人で参加するのも良し、企業単位の参加も可能とのこと。尾道の会社が尾道デニムを制服として履いて育てて、こちらで販売するなど、双方に話題性があり、とっても面白そうです。個人でも会社でも興味があれば是非お問い合わせを!
※尾道以外の方でも何か一緒にやりたいという方も、是非お声がけくださいとのことでした。
今年で12年目になるONOMICHI DENIM PROJECT。是非ショップにも足を運んで、尾道の町と人が育てたデニムを見てみてください。これからの進化が楽しみですね!
※写真にある商品は全て取材時のものです。
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